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代表者コラム

九州地方などの温暖地では木造は充填断熱で充分

 木造での外貼り断熱と内(充填)断熱の話です。

 
 以前、我々専門家向けの雑誌で、木造のこの両方のケースでの熱の透過損失の実験データーが出ていました。
 
 数値は覚えていませんがデータ的にわずかに外貼り断熱のほうが優れていましたが、じゃあ人間の感覚がそんなにシビアーに差が分かるかと言うと、まずありえない程度の差でした。
 
 実験した某大学教授の結論としては、木造に関しては外貼り断熱と内断熱の熱量の透過損失の差は無視して良い程度との結論を出していました。
 
 その報告書を読んで、思っていたとおりの結論だと思いました。
 
 人体に感じないほどの差であっても数値として差が出ているのであれば外貼り断熱にするべきだと思われる方に対してはあえて止めましょうという理由はありませんが、私に木造ではどっちがいいのかと問われたら、あえて外貼り断熱にする必要はありませんと答えます。
 
 なぜならば、外貼り断熱は内断熱よりコストがかかります。
 
 特に開口部周りの処理は従来の開口部の納めかたが通用しませんので、特殊な処理になります。開口部の枠周りの金物は普及品タイプの製品は使えませんので、コストの高い専用の金物を使用することになります。
 
 そのようにコストアップがあるにもかかわらず、そして熱量の透過損失量がほとんど差が無いにもかかわらず外貼り断熱にしなければならない理由は、私には思い当たりません。
 
 強いて挙げれば、過日書いたように、紫外線による劣化が抑えられるという面でしょうか。
 
 木造の場合の外貼り断熱の材料は、ほとんどが石油精製品であるポリスチレン フォーム板などで構成します。理由は雨に濡れても断熱性能が劣化しないからですが、石油精製品が人体に及ぼす影響や地球環境問題から鑑みて、こういった断 熱材を使用することに設計ポリシーから抵抗を覚えることも事実です。
 
 しかし外貼り断熱に使えるそれに変わる断熱材は施工中の雨の影響を考えると、今のところ見当たりませんので致し方ないのでしょうが。
 
 内断熱(充填断熱)の場合は、材料は一般的にはグラスウールやロックウールで壁の内部に充填する方法になります。この方法は、取り付け方に不具合があれば壁内部の結露やヒートロスなどの瑕疵が生じます。
 
 最近ではシックハウスの問題で、この充填工法の断熱材も自然素材のものが使用されるようになりました。
 
 イニシャルコストはグラスウールなどに比べると高いものになりますが、内部 結露の心配が要らないことによる建物の長寿命化が期待できることと、特にグラスウールの場合チクチクする不快感がない、などのメリットを考慮すれば、トー タルコストは下がってくるのではないでしょうか。
 
 結論として書けば、外断熱は鉄筋コンクリート造や鉄骨造では効果がありますが、木造の場合では、外断熱にするメリットは他の構造体に比べるとそれほど生じないということになります。
 
 しかし、いまや省エネルギーのハイスペックの断熱性能が要求されてくる時代に向かっています。今年の4月からは新しい省エネルギー基準を満たすことが必要になってきています。
 
 住宅では今の段階では努力義務レベルですが、5年後の2020年以降からは戸建住宅を含めた小規模建築物も義務化されます。義務化ということは、省エネ基準を満たさないと建築確認も取得できなくなり、その結果、住宅が建てられなくなります。
 
 寒冷地では、新しい省エネ基準では充填断熱だけでは建物の外部における断熱 性能(外皮性能)を満たすことが困難になりつつありますので、それプラスの外貼り断熱が必要になってきています。温暖地でも、現在では内断熱でも害性能と しては満たしていますが、より高性能の断熱性能を確保する目的とかんがえるならば、同様に外貼り断熱も併用する考え方も必要になることでしょう。
 
 断熱性能の向上が法的に求められて来ていますので、外貼り断熱、内断熱の双方の特性を満たした断熱計画が必要になって来ます。当然のようにそれに対するコストアップも覚悟する必要がありますね。

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